リクガメの飼育方法、エサについて

リクガメ

リクガメの生態

リクガメはワシントン条約で規制されている希少な生き物です。飼育する際は大切にしてあげましょう。生息地域によって飼育環境が異なります。主に乾燥地域に生息するカメと湿潤地域に生息するカメで分けられます。

乾燥を好むリクガメの種類

ギリシャリクガメ、ヒョウモンガメ、ヨユユビリクガメ、フチゾリリクガメ、ヘルマンリクガメ、ホルスフィールドリクガメ、ヘルマンリクガメ

 湿度の高い環境を好むリクガメの種類
アカシアガメ、エロンガータリクガメ、キアシガメ、スピークセオレガメ、セレベス

 寿命

リクガメの寿命は自然界では100年以上生きたカメもいるようで、とても長生きな生き物です。飼育下での寿命は約20年~30年と言われています。とても大きくなる種類もいるので購入する際は良く検討してから飼育しましょう。

飼育にかかる費用

飼育用品などを揃えるのに約3万~5万円ほどです。一か月のエサ代はカメの大きさによって違いますが月1000円~4000円程度です。一か月の電気代は季節にとって違いますが約1500円~2000円程度でしょう。当然のことですが大きく成長してくるとかかる費用も上がっていきます。

リクガメ

飼育用品

ケージ

リクガメは意外と活発で運動量の多い爬虫類です。そのため、ケージ内を動き回られるように底面積の広いケージが適しています。大きさの目安は全長の約5倍以上、奥行きが3倍以上があれば問題ないでしょう。しかしもう少し大きいサイズのケージを用意できるのであれば、大きいことに越したことはないと思います。

照明

リクガメはとても日光浴が大好きな爬虫類です。そのため紫外線量の多い照明が必要になってきます。爬虫類専用の強めの蛍光灯やメタルハライドランプをケージの上部から照らしてあげましょう。強めの紫外線は目を痛める可能性がありますので、必ず日陰になるような場所を作ってあげてください。種類によっては弱めの紫外線を好む種類をいますので事前に確認してから照明を選ぶようにしましょう。例えば湿潤系のカメやヤマガメなどは弱めの紫外線を好みます。

バスキングライト

昼間の時間帯はバスキングライトを使用して、ケージの半分くらいのスペースにホットスポットを作る必要があります。乾燥系の種類だとスポットの下で40℃くらい湿潤系の種類だと35℃くらいが適温です。設置するライトの距離や角度で調節することができます。

保温器具

冬場に温度が下がってきたら、セラミックヒーターなどの保温器具でケージ全体を暖める必要があります。プレートヒーターでもケージは温まりますが、ケージ内の空気は暖かくならないので注意が必要です。カメの甲羅はほとんどが肺になっており、冷たい空気を吸い込んでしまうと血液が冷やされてしまう恐れがあります。体が冷えてしまうと風邪を引いたり、肺炎になってしまうので注意が必要です。プレートヒーターは補助的なものと考えて、暖房器具で部屋全体を暖めるか、セラミックヒーターなどでケージ内の空気を暖めるようにしてあげましょう。

床材

乾燥系の種類の場合は、乾燥したハスクチップやナッツサンド、ココナッツマットなどを使用します湿潤系の種類の場合は、ヤシガラ土や乾燥ミズゴケなどに水をたっぷり含ませたものを使用します。飼育する種類によって湿り具合などを調節する必要があります。わからない場合は購入する際にショップの方に相談してみると良いでしょう。湿った床材だとどうしても雑菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。床材の交換や清掃はしっかりと念入りに行う必要があります。他の爬虫類だとペットシーツや新聞紙などが使用できて、メンテナンスはラクなのですがリクガメの場合は使用することができません。リクガメに使用するとツルツルと滑ってしまい、股関節に障害が起きてしまうことがあります。また爪も伸びやすくなってしまいます。そのためチップなどのツルツル滑らない床材を使用するように心掛けてください。

水入れ

リクガメは水入れの中で水浴びをすることがあります。水分補給のほかに水浴びして体温を調節したりします。軽く水浴びができるくらいの面積の広い水入れを用意してあげましょう。爬虫類専用の水入れが一番安心できるかと思います。陸棲ガメの場合は水容器の中で排泄をする時もあるので、汚れていたらすぐに交換してあげてください。

リクガメに適した湿度

乾燥系の種類の湿度は約50%~65%、湿潤系の種類は約60%~90%程度の湿度が理想的です冬場などは乾燥するので霧吹きや加湿器などで湿度を保たなければいけません。乾燥した状態が続いてしまうと、甲羅の癒着や成長異常、賢不全を起こしてしまうことがあります。乾燥系の種類だからといって乾燥しすぎは良くないということを覚えておいてください。

エサについて

リクガメは乾燥系と湿潤系では食性が少し変わってきます。乾燥系は草食性が強く、湿潤系は雑食性寄りになっています。

乾燥系の食事

小松菜、チンゲンサイ、ニンジン、カボチャなどの野菜と、タンポポなどの野草などを混ぜて与えます。その他に大根の葉やカブの葉、モロヘイヤ、アシタバ、サニーレタス、バジルなど色々とあります。毎日同じ野菜ではなく季節の旬の食材を混ぜて栄養バランスを考えながら調理していくとリクガメも喜んでくれるでしょう。

湿潤系の食事

湿潤系の種類には乾燥系と同じように野菜類のほかに、リンゴやバナナ、キウイ、いちご、みかんなどの果実類も与えるようにしましょう。その他にもキノコ類も栄養価も高く与えても良いでしょう。またハコガメやヤマガメは動物質のエサを好むようで、コオロギやミルワームなども食べるようです。しかし与えすぎるのも良くないのでおやつ程度にたまに与えるくらいが丁度良いようです。

色々な野菜と野草をバランスよく与える

自然界のリクガメは様々な種類の野菜を食べて生活しています。そのため飼育下でも栄養バランスが悪くならないように、様々な野菜を与える必要があります。

カルシウムとリンの利率が大事

リクガメに適している野菜は、カルシウムとリンの利率が5:1の割合が理想的といわれています。これはリンがカルシウムの吸収を阻害するためで、カルシウムの量が多い野菜がリクガメにとって適しています。市販されている野菜で最も優れているのが、カブの葉になります。カブの葉は、比率がほぼ5:1でリクガメにとって1番お勧めの野菜になります。その次に小松菜、チンゲンサイもバランスが良く適している野菜になります。

与えてよい野菜と野草

与えても良い野菜
小松菜、チンゲンサイ、ニンジン、カボチャ、大根の葉、サラダ菜、水菜、モロヘイヤ、カブの葉、バジル、アシタバ、レタス、トマト(葉と茎はダメ)、白菜、キュウリ
与えても良い野草
たんぽぽ、オオバコ、シロツメグサ、アカツメグサ、ノギク、オニタビラコ、モロヘイヤ、ハコベなど

与えてはいけない野菜

キャベツやホウレンソウはシュウ酸値が高く、カルシウムの吸収を阻害してしまうので与えるのは控えた方が良いでしょう。

与えてはいけないもの
ホウレンソウ、キャベツ、芽キャベツ、カタバミ、バラの葉、ジャガイモ、イチジク、アジサイ、トマトの葉、その他色々

エサの与える量、回数

エサの与える回数ですが成長期の幼体には1日2~3回程度、成体になったら1回で十分です。与える量はカメの大きさや種類によって異なるため、普段の食べる量を見ながら調節していくようにしましょう。少し残す程度が丁度良いです。また幼体の頃は食べやすい大きさに切ってから与えるようにしてあげてください。

温浴について

リクガメ飼育にかかせないのが温浴です。温浴とは人間でいうお風呂みたいなもので、体温が上昇して代謝が上がることで排泄を促す効果があります。また甲羅についた汚れもお湯で洗い流されるので衛生的にも適しています。温浴の方法は、36℃~40℃くらいのお湯を使用します。お湯の深さはカメが頭を伸ばして呼吸ができるくらいの深さが丁度良いです。また甲羅が汚れていたら歯ブラシで綺麗にしてあげましょう。温浴は10分~15分くらいで終了します。お湯から出したらタオルなどで水分をふき取ってからケージに戻してあげてください。

日光浴

天気が良い日は外で日光浴をしてあげましょう。紫外線はカルシウムの吸収を良くしてくれるビタミンD3を作りだしてくれます。カルシウム不足は甲羅や骨の形成に悪影響を起こしてしまうので日光浴はとても大事です。日光浴中は見失わないように注意しましょう。

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