チンチラの繁殖、赤ちゃんの育て方、人工保育の方法について

チンチラ 赤ちゃん

繁殖に挑戦する前に

まずチンチラの繁殖はメスの体にとても負担がかかってしまうことを忘れないでください。妊娠期間は犬猫よりも長く約4か月かかります。すごい小さな体で4か月も妊娠期間があるのは相当な負担がかかってしまいます。可愛い赤ちゃんが見たいからという軽い気持ちで繁殖をしないようによく計画を立ててから行うようにしてください。メス親の健康状態に少しでも不安がある場合はやめておいた方が良いでしょう。

チンチラ 親子

妊娠適齢期

チンチラが妊娠できる年齢は約1歳から2歳前後くらいが適していると言われています。あまり年齢が高い子は産道に柔軟性がなくなってしまい難産になる可能性があるので繁殖には向きません。また妊娠には物凄い体力を使うので高齢では負担に耐えることができません。1歳前後の若い個体で挑戦してみてください。

性成熟と発情時期

メスの性成熟は約5~8ケ月、オスの性成熟は約3~6ケ月と言われています。オスの場合は成熟してしまえばすぐに繁殖に使うことができます。メスの発情時期は1ケ月~1ケ月半に1度数日間やってきます。発情時期は不定期で個体によっても変わってきます。発情期はメスの膣口が赤くなってぷっくりと開いてきます。また最初の発情期は気が荒くなったり情緒不安定になる子もいるようです。オスの場合はメスが受け入れてくればいつでも繁殖することができますが、メスは発情期の間しか交尾することはできません。

繁殖するカラーの組み合わせの注意点

チンチラは繁殖するカラーの組み合わせによっては致死遺伝子を生み出してしまう危険性があります。致死遺伝子とは生まれてくることができない、生まれても障害がある、奇形がある、体が弱い、長生きできないなどの障害がおきる場合があります。繁殖に挑戦する場合は組み合わせにも注意して行うようにしてください。またインブリーティング(近親交配)はしてはいけません。

避けるべきカラーの組み合わせ

注意
  • ブラックベルベット×ブラックベルベット
  • ブラウンベルベット×ブラウンベルベット
  • ブラックベルベット×ブラウンベルベット
  • ホワイト×ホワイト
  • ホワイト×パイド
  • パイド×パイド

お見合いの方法

チンチラの繁殖の相手は誰でも良いというわけにはいきません。相性があり個体によっては喧嘩してしまうこともあります。そのためにお見合いが必要になります。まずはオスとメスのケージを隣り合わせに置き、両方の反応を観察します。そのままケージ越しに喧嘩をしないようなら、お散歩の時に一緒に遊ばせて様子を見てみましょう。メスが甘えるような声を出したり、メスがお尻を突き出すような仕草を見せたら相性が良い可能性が高いです。相性が良いようでしたらケージを一緒にして様子をみてください。相性が悪い場合は喧嘩が始まってしまうのでその場合はすぐに別々にしましょう。

交尾が行われたサイン

チンチラの交尾は一瞬で終わります。交尾が成功していた場合メスの膣から膣栓という白っぽい塊が出てきます。しかし膣栓が落ちていても交尾がしっかり行われていない場合もあります。相性が良くても交尾しない個体やなかなか妊娠しない子もいます。その場合は相手を変えてみるか、安心できる飼育環境を見直すなどの工夫をしてみてください。中には妊娠しにくい個体もいるので無理に繁殖しないように注意してください

妊娠の兆候

妊娠1か月目では体の変化も体重の増加もまだありません。2ケ月くらい経つとお腹が少し硬くなり、徐々に体重が増加してきます。食欲もだんだんとあがってきます。3ケ月たつとお腹も大きくなり体重もしっかりと増えて、見た目で妊娠していると確認することができます。この時期になったらいつもよりも栄養価の高いエサを多めに与えるようにして下さい。普段の食事の量では足りなくて元気な赤ちゃんを産むことができません。チモシーの他にアルファルファなどの高栄養の牧草も混ぜて与えると良いでしょう。ペレットも普段よりも多めに与えても問題ありません。

出産直前

出産直前になると寝ていることが多くなります。個体によってはフーフー鳴く子もいるようです。その状態が1週間前後続いてようやく出産になります。生まれてくる数は平均1~3匹と言われています。体格が大きかったり系統的に多産の場合は4~8匹生まれることもあるようです。また動物病院でエコーで診てもらえば何匹生まれるか事前に知ることができます。また出産してもお腹の中にまだ1匹取り残されているトラブルもあるようなので、事前に何匹生まれるか確認しておいた方が安心だと思います。

出産準備

ケージのレイアウトを安全なものに

出産直前のメスは身体も重くなり思うように動けなくなります。ジャンプ力もなくなるのでステップから落ちてしまったり、狭い所は通りづらくなります。ケージの中は複雑なレイアウトはやめてシンプルなものにしましょう。また生まれてくる赤ちゃんはとても体が小さいです。そのためスノコの穴に足を引っかけたり、ケージの網の隙間から抜け出してしまうかもしれません。すのこにはマットを敷くか取り外したほうが安全です。ケージの網は隙間が小さいものと交換するしかないでしょう。

床置きのヒーターを用意しよう

チンチラは生まれてきた赤ちゃんの体を舐めて濡れている体を乾かします。しかし複数生まれてくる場合は全員出産してからでないと体を乾かすことができません。そのため濡れたままだと体温が低下して弱ってしまう場合があります。そうならないように床置きのヒーターを敷いておけば安心です。季節に関係なく敷いておいた方が良いでしょう。

オスは別のケージに移そう

出産2週間前くらいになるとメスはイライラしたり、体を守る本能から攻撃的になってきます。そのためオスと喧嘩になる場合があるので別のケージに移しておきましょう。

いよいよ出産

チンチラの出産は深夜から明け方に行われることが多いようです。陣痛がはじまり破水をして赤ちゃんが生まれてきます。出血もして血だらけになる場合もあるようです。すべての赤ちゃんを産み落とすと体から胎盤が出てきます。その胎盤をメスは食べて体の栄養にします。

子育て

チンチラの赤ちゃんは早成性でほとんど体が出来上がった状態で生まれてきます。そのため一週間くらいはママのお乳を飲みますが、そのあとはママと同じペレットや牧草などを食べることができます。


お乳は2か所しか出ない

注意しなくてはいけないのがチンチラのお乳は3~4個ついていると言われていますが、お乳が出るのは2か所しかないようです。そのため3匹以上生まれた場合はお乳の取り合いになってしまいます。喧嘩したり、お乳が飲めなくて成長不良になってしまう子もでてきます。赤ちゃんが成長しているかは体重で確かめることができます。頻繁に体重を量って体重が増えていない子はお乳を上手く飲めていないということです。その場合は飼い主自らミルクを与えて人工保育をする必要があります。

人工保育

人工保育のミルクはヤギ用のミルクが適しています。ミルクの温度は37~38℃が丁度良いです。シリンジや注射器などで飲ませましょう。赤ちゃんの口は小さく飲める量も少量です。最初は舐める程度で少しずつ与えてください。慣れてきて自分で吸い付くようになっても勢いよく流し込むのは危険です。勢いよく流し込むと肺炎になってしまう場合があるので注意しましょう。

メモ
ヤギ用のミルクです。チンチラの人工保育に!

離別

チンチラは近親交配を避けるためにある程度成長したら親と分けて飼育した方が良いでしょう。オスは生後3か月くらいで成熟して交尾することができます。その前にはケージは別にしておくべきです。近親交配は奇形や体の弱い子が生まれてくる確率が高いと言われています。同じ性別同士なら仲が良ければ一緒にしていても問題はないでしょう。

最後に

チンチラの繁殖は命がけで行われます。繁殖する際は十分に計画を立てて慎重に行うようにしましょう。

 

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