チンチラの体や病気については未だに詳しくは解明されていません。そのためチンチラの病気に詳しい獣医さんも多くありません。そのため一番は病気にさせないことが大事です。日頃のお世話や清掃を怠っていると病気にかかりやすくなってしまいます。日頃の管理は徹底して行いましょう。
事前に動物病院を探しておこう
チンチラを購入する前に必ず診てくれる動物病院を探しておきましょう。動物病院に連れていく時は、飼育環境や餌、便の状態などを詳しく伝えられるようにしておくと診察がスムーズに進みます。チンチラの便やおしっこのついた床材などを持参するのも診察に役立ちます。また健康のために1年に1回は検診に連れて行ってどこか悪い所がないか検査してもらうのも良いかと思います。
チンチラの病気の種類と治療法
不正咬合
症状、原因
臼歯が伸びすぎてしまい口の中に傷を作り、痛みから食欲不振になってしまいます。食欲不振から栄養があまり取れず、賢不全など他の病気にかかりやすくなってしまいます。初期の頃は最初に牧草をあまり食べなくなってくるようです。ペレットは食べるけれど牧草はあまり食べないという場合には不正咬合になっている可能性が高いです。予防法は牧草をしっかりと与えることです。牧草を食べる時は臼歯を使って齧るので自然と歯の伸びすぎを防いでくれます。ペレットはあまり齧らなくても食べられる餌なので、牧草を主食にペレットは副食として与えるようにしましょう。
治療法
不正咬合の治療方法は動物病院で伸びすぎた歯をカットしてもらいます。一般的には全身麻酔をかけてから行います。治療を行ってもすぐに食欲が戻るわけではないので、その間は流動食などで対処してください。
虫歯と歯周病
症状、原因
虫歯や歯周病は人間のものと同じと考えて良いでしょう。原因は繊維質の少ない餌や糖質の多いおやつなどを与えすぎてしまうことで起こります。症状は口臭がひどかったり、よだれが多く出る、口の中を痛がっている様子を見せていたら虫歯の可能性があります。怪しい場合は動物病院で診てもらいましょう。
治療法
虫歯や歯周病の治療は抗生物質の投与により対処します。なかなか完治するのには時間がかかり根気のいる病気です。治療中はおやつなど糖質の多い食事を控えて、牧草中心の食事を心がけましょう。
ジアルジア感染症
症状、原因
ジアルジア感染症とはチンチラの3~6割は元から持っている寄生虫です。元気な時には悪さはしませんが、ストレスや体調が悪く免疫力が低下している時に発症する病気です。症状は下痢や軟便です。他のチンチラにも感染する恐れがあるので、下痢や軟便をしたらケージは別々にしてください。診察してもらう場合はチンチラの便をラップなどで乾燥しないようにくるんで持参してください。便が乾いてしまうとジアルジアの寄生虫が見つけづらくなってしまうようです。
治療法
ジアルジア感染症は駆虫薬を使い治療していきます。メトロニダゾールやフェンベンダゾールを使用します。メトロニダゾールはたまに肝毒性をおこす場合があるようです。食欲低下などの症状がある場合は肝毒性になっている可能性があるので、動物病院で診てもらってください。ジアルジア感染症は治ってもまた再発する可能性が高い病気です。ストレスや免疫力が下がらないように飼育することで再発を防ぐことができます。
陽性毒血症
症状、原因
陽性毒血症は腸内の細菌バランスが崩れることで起こります。チンチラの腸内には、様々な菌がバランスよく住み着いています。バランスが崩れる原因は抗生物質を使うことで陽性菌が死滅してしまい、陰性の悪い菌が増えてしまいます。症状は下痢や食欲不振、腹痛などです。悪化してしまうと死に至ることもあります。陽性毒血症にかかりやすい抗生物質はペニシリン系、セフェム系、テトラサイクリン系、リンコマイシン系、マクロライド系など多数あります。安全に使用できる抗生物質はニューキノロン系、サルファ剤、クロラムフェニコールなどです。心配な方は処方される病院に相談してみると良いでしょう。
治療法
治療法は下痢の時は脱水症状になっている場合があるので点滴で対処します。そして本来の細菌バランスに戻すために乳酸菌やヨーグルトなどを食べさせて治療します。予防法は危険な抗生物質を飲ませないことが一番です。
結膜炎
症状、原因
結膜炎は目ヤニや涙、目が腫れて赤くなる病気です。原因は細菌や真菌が目に入ることで発症します。原因は不衛生な環境や、砂浴びの際に汚れた砂が目に入ることで発症することがあります。
治療法
結膜炎の治療は点眼薬を使用して治療します。予防法は清潔な環境で飼育することが一番です。砂浴びの砂もできるだけ毎日交換すること大事です。
皮膚糸状菌症
症状、原因
皮膚糸状菌症はチンチラの皮膚病です。カビや真菌が皮膚に感染することで発症します。原因はストレスや不衛生な環境、湿度の高い環境で飼育していた場合に発症することが多いです。特にカビは湿度の高い環境で繁殖するので湿度管理を徹底して行ってください。皮膚糸状菌症は他の子や人間にも移る可能性があります。他の子とは別にして、触った後には必ず手を消毒してください。症状は目の周りや耳、身体全体にフケが見られます。症状が悪化してくると皮膚が赤く炎症を起こしてきます。
治療法
治療法は抗真菌薬の投与や軟膏などで対処します。症状が良くなってもケージなどに菌が残っていたら再発する危険があるので、ケージや飼育用品は薄めた漂白剤でよく洗浄してから使うようにしてください。
まとめ
チンチラの病気は早期発見、早期治療が大事です。日頃からチンチラの様子をよく観察して、少しでも様子がおかしかったらすぐに動物病院に連れて行くようにしてください。
コメントを残す