ボールパイソンの繁殖、幼体の飼育方法、遺伝について

ボールパイソンは環境や条件が揃えば比較的簡単に増やすことができます。飼育に慣れてきたら挑戦してみても良いのではないでしょうか。ボールパイソンは1回の産卵に平均で3~12個の卵を産みます。もちろんたくさんの赤ちゃんが生まれてきます。それをすべて飼育するのか、それともイベントなので販売するのか事前に計画を立てなくてはいけません。販売する場合は動物取扱業の登録が必要ですので、事前に準備しておいたほうが良いでしょう。心構えと準備が整ったらさっそく繁殖に挑戦してみましょう。

ボールパイソンの繁殖適齢期

ボールパイソンのメスの繁殖適齢期は、約3年目以降で体長が100cm以上の個体が適しています。またメス個体にたくさんエサを与え、早めに大きくすれば1年半くらいから繁殖は可能なようです。しかし初心者はじっくりと3年目以降の個体を使うほうが、トラブルが起きる可能性は低いかと思います。オスの繁殖適齢期は、約2年以降で体長が80cm以上の個体が適しています。

休眠期

ボールパイソンは生後2年目の冬になるとだんだんと食欲が落ちてきます。これを休眠期と言われています。この休眠期に入ると、成熟して繁殖期に入ったことを意味します。休眠期と拒食を勘違いしてしまい、強制給餌を行わないように注意しましょう。ボールパイソンの生活サイクルなので心配はいりません。成熟した個体は冬には食欲が落ちるということを覚えておきましょう。また休眠期の場合はエサを与えなくても痩せることがないようです。

繁殖期

ボールパイソンが繁殖期と認識するのは、気温が約20℃前後に寒くなってくる秋の後半あたりです。なかなか繁殖期に入らない個体などは、人為的に温度をコントロールして繁殖を促すことも可能です。これをクーリングと呼んでいます。他にも照明器具を使い、昼間の日照時間を短く設定して冬の季節を再現することも可能です。しかし温度を下げすぎると体調を崩してしまうので、温度コントロールはしっかりとしましょう。

ペアリングと交尾

ボールパイソンのペアリングの方法は、オスの飼育ケージにメスを入れるのが一般的です。ペアリングをするとオスはメスを追いかけて求愛します。メスが交尾を受け入れてくれれば繁殖成功です。交尾はだいたい夕方~夜中にかけて行われることが多いようです。交尾は長くて半日かかることもあるようです。反対に短すぎると交尾失敗の可能性が高いです。24時間たっても交尾しない場合は、一度ケージからだし中断しましょう。数日か間をあけてから再挑戦しましょう。

妊娠

メスが妊娠すると神経質になり、とても攻撃的になるようです。また交尾が終わったメスは食欲がまし、エサをたくさん食べるようになります。これは卵を形成するのにたくさんの栄養が必要になるかららしいです。ですのでこの時期に栄養価の高いエサをしっかりと与えるようにしてあげてください。卵の状態にも影響するので十分気をつけましょう。そして妊娠後期になると食欲がなくなりエサを食べなくなるので、エサは与えないようにしましょう。

産卵

ボールパイソンは産卵前の前兆として脱皮をするようです。産卵前の脱皮をしてから約26日~30日ほど経過すると産卵が開始します。産卵は夜から朝にかけて行われます。産卵した卵は回収して孵化器や産卵床に移します。回収する際はメスが卵を守ろうとして攻撃的なので手袋などをして回収した方が良いでしょう。そして絶対に注意しなくてはいけないのが、産み落とされた卵を回収するときに卵の上下の向きを変えてはいけないということです。変えてしまうと赤ちゃんが呼吸できずに死んでしまうので、マジックなので印をつけて慎重に管理してください。また産卵してすぐの卵は柔らかいので、少し乾燥させて硬くなってから回収するようにします。

産卵床

産卵床は、卵が全部入るくらいの容器にパーライトという土を敷いたものを使うのが一般的です。パーライトはホームセンターで購入することができます。まずパーライトを容器に半分くらい入れ、水をひたひたになるくらい入れます。そしてその上からパーライトを入れて2層式にします。必ず上の部分は乾いているようにして下さい。卵を設置するときは直に置かないでスポンジマットなどの上に置いてください。卵が濡れてしまうとカビの原因になってしまうので気をつけましょう。産卵床の温度は約30~33℃、湿度は70%~90%をキープするようにして下さい。産卵床は卵が窒息してしまわないように、1日に2回~3回ふたを開け、空気を入れ替えてあげましょう。

孵化

産卵してから約60日前後で孵化します。孵化の前兆として2週間くらい前から卵が凹んでくるようです。孵化が近づいてくると有精卵か無精卵か確認できるようになってきます。室内を暗くして卵をライトで照らすことで確認できます。有精卵の場合は血管などが見えますが、無精卵の場合は血管などは見えません。また無精卵の場合は変色していたり、カビなどが生えている場合が多いです。無精卵の卵は残念ですが、そのまま放置しないで速やかに処分するようにして下さい。カビなどが他の卵に移る可能性があります。

赤ちゃんの飼育

赤ちゃんは孵化してから初めての脱皮が終わるまではエサを食べません。数日間は体内に栄養を蓄えているようなので心配はいりません。初脱皮が終わったらいよいよエサを与え始めましょう。初めての時は人間やピンセットを怖がって食べてくれない時があります。そういった場合には、置きエサにする、室内を暗くしてから与える、もしくは生きエサを与えてみるなど色々と試してみましょう。お腹が空いてくれば必ず食べてくれるはずです。

ボールパイソンの遺伝について

ボールパイソンの遺伝はとても複雑で交配によって様々なカラーの個体が生まれてきます。様々な色やカラーのことをモルフと呼んでいます。

優性遺伝

優性遺伝はノーマルやピンストライプが含まれます。表現型を決めるための遺伝子は2つで1セットになっていますが、どちらかひとつでも含まれていればその表現型となるのが優性遺伝と呼びます。

劣性遺伝

劣性遺伝はアルビノやバイボールドなどが含まれます。遺伝子が2つセットになっている状態をホモ、どちらか1つだけの状態をヘテロと呼びます。しかし劣性遺伝ではヘテロの場合はもう一方の優性が表現型となります。例えばヘテロアルビノだと2つの遺伝子のうち1つはノーマルで、もう一つがアルビノという状態になります。見かけは優性遺伝のノーマルになります。

共優性

共優性はパステルやイエローベリーなどが含まれます。共優性とはヘテロ状態で特徴的な表現型になる遺伝のことを言います。共優性は基本的にはヘテロで、ホモになるとスーパー体と言う表現型になります。

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