ヒョウモントカゲモドキは爬虫類の中では条件が揃えば比較的簡単に繁殖を楽しむことができます。成熟した健康状態の良好なペアがいればあとは準備を揃えてあげれば繁殖行動をして卵を産んでくれます。多い場合年間で10匹ほど赤ちゃんを産む場合がありますので、飼育するスペースや容器など事前に計画しておかないと大変なことになります。飼いきれなくなった場合など友人やショップなど引き取ってくれる所を確保しておくのも忘れないようにしましょう。
繁殖に適した個体
成熟した個体の判断は体重で判断します。だいたいオスは約45g前後、メスは約50g前後が適しています。年齢は早すぎてもダメなので2歳以上の個体が良いでしょう。
オスとメスの見分け方
オスの排泄子の後ろには大きな2つの膨らみがあります。これは「タマ」と呼ばれています。メスの場合はオスのように膨らみはなく総排泄の後ろは細くてツルっとなっています。
クーリング
クーリングとは自然環境での冬を再現して、一定期間温度を下げて休眠状態にすることをいいます。そうすることで発情を促し交尾に持っていくことができます。クーリングは完全に冬眠状態にするのではなく、少し活動はしますがほとんどエサを食べずに水だけを取り、代謝も落ちている状態のことをいいます。基本的には冬の時期にクーリングを行うのが一般的です。またクーリング中は体内に食べたものが残ったままだとそのまま消化されず腐敗してしまうので、クーリング開始の1週間前にはエサを与えずに胃の中を空っぽの状態にしてから行うようにして下さい。クーリングの温度はだいたい18度を目安にしてください。
発情~交尾
クーリングが終わったら繁殖に向けて次の段階です。まず長い期間エサを食べてないので少しずつエサを与えて元の環境に戻していきます。次にいよいよオスとメスを同じケージに入れます。クーリングが上手くいって両方とも発情している場合はオスが尻尾を震わせながらメスに近づいていき交尾が始まります。オスがメスの首元を嚙む場合もあるみたいですが攻撃しているわけではありませんので安心してください。もしも交尾がすぐに始まらなくても一晩一緒に入れておけば大抵の場合交尾は成功していると思って大丈夫でしょう。メスがどうしても交尾を受け入れない場合はしばらく期間をあけて再度チャレンジするのが良いでしょう。交尾が終了したらオスとメスは別々のケージに入れます。複数のメスとオスを交尾する場合は次の交尾までは1週間は期間をあけて行うようにしましょう。
抱卵~産卵
交尾をしたメスは卵を産むために栄養をつけるために食欲が倍増します。できるだけ栄養価の高いエサを与えて健康状態を良好にしてあげましょう。栄養が足りない場合は良い卵が産めずに、産卵率が低下したり、赤ちゃんの健康状態がよくない状態で生まれてきてしまう場合もあります。交尾してから産卵までの期間がとても重要なのでメスの健康状態は気を付けるようにしましょう。交尾してから10日くらいするとメスのお腹に卵がうっすらと透けて見えてくるようになります。この卵が見えてきてからだいたい早くて2週間前後~1か月以内には産卵してくれるでしょう。産卵が近くなってくるとお腹がパンパンに膨らんできて、急に食欲が止まってエサ食いが悪くなってきます。食欲が止まると産卵間近だと思ってよいでしょう。卵は産卵床に産みますので抱卵を確認したらケージの中に産卵床を用意してあげましょう。
産卵床
産卵床は身体全体がすっぽりと入るくらいの大きさのタッパーなどに、水分で湿らせた水苔やバーキュライトを敷き詰めたものが適しています。タッパーのフタに穴をあけておけば産卵時期になると自然と入ってくれます。
卵の管理
産卵床に卵が産み落とされたらなるべく早めに回収してください。これは卵の位置や向きが変わってしまうと孵化率が低下してしまうことがあるためです。回収した卵は孵化床に移動します。孵化床はプリンカップなどにバーミキュライトや専用の孵化土があるので1対1の割合で水を含ませて敷きつめたものを使用します。卵を配置する際には卵の上下を必ず変えないように並べます。また卵が転がらないように指でへこませてくぼみに配置するようにしましょう。カップ内の温度は25℃~30℃くらいで、湿度は80%~90%になるように管理します。専用の孵化器が販売されていますのでそちらを使用するのが確実で安心だと思います。
孵化~赤ちゃんの飼育
卵はだいたい個体差がありますが短くて1ケ月、長くて2ケ月で孵化します。また卵が大きく凹んでしまったり、変色してしまった卵は死産してしまうこともあります。なので卵の管理はとても慎重に行うようにしましょう。
コメントを残す